台湾が徳島県に医療用マスク2,500枚。再確認された友好の絆
徳島市が花蓮県吉安郷と友好交流協定を締結するなど地域間交流が進む徳島と台湾。新型コロナウイルス対策でも、台湾政府が徳島県に医療用マスクを寄贈するなど、友好の絆が再確認されました。
寄贈されたのは、医療用のサージカルマスク2,500枚です。台湾の大阪領事館に相当する台北駐大阪経済文化弁事処(李世丙処長)が、民間交流団体「徳島日台親善協会」を通じて徳島県に寄贈されました。
寄贈セレモニーは5月25日、徳島県庁で行われ、徳島日台親善協会の井上武会長が、「台湾政府から徳島の医療に役立ててほしいと医療用サージカルマスク2,500枚が届きました」とマスクと目録を後藤田博副知事に手渡しました。
後藤田副知事は「県下でも医療用マスクが不足するなかで、大変ありがたいことと思っております。頂いたマスクはさっそく医療機関をはじめとして、新型コロナ感染症対策にしっかりと活用してまいりたいと思っております」と感謝の言葉を述べ、飯泉知事から李世丙処長への感謝状を井上会長に手渡しました。
寄贈されたマスクは県内の医療機関に配られるなど、新型コロナウイルス感染症対策に活用される予定です。
徳島と台湾は、明治時代に吉野川の流域民が日本から台湾への移民先遣隊として派遣され、花蓮県吉安郷で「吉野村」と呼ばれた移民村を設立するなど、交流の歴史は長いものになっています。
移民の末裔は「湾生」と呼ばれ、戦争に翻弄された激動の人生が映画化されるなど、日台交流の原点が近年改めてクローズアップされています。
昨年1月には、移民村があった花蓮県吉安郷と徳島市が友好交流協定を締結し、訪問団の行き来き、こどもたちがスポーツや文化で交流活動を展開するなど、日台交流の絆は次世代に着実に息づいています。
新型コロナウイルスの感染拡大で出入国が制限されるなど、交流活動が現在ストップを余儀なくされている日本と台湾。医療用マスクの寄贈は「困った時に助け合う」というウィン・ウィンの友好関係を再確認する契機にもなっています。
インバウンド、アウトバウンドと持て囃された国際交流戦略に冷や水を浴びせた新型コロナウイルス。台湾‐徳島の航空便就航も先が読めない状況です。先人が築き上げた日台関係をいかに継承、進化させるか。「ウイズ・コロナ」時代に入った交流戦略の再構築も問われています。